生理検査部門
生理検査室
生理検査室では心電図検査や呼吸機能検査、脳波検査など、超音波(エコー)検査以外の様々な検査を行っています。
臨床検査技師が患者さまの身体を直接調べるため、安心して検査を受けて頂けるよう、声掛けや接遇の向上に努めています。
主な検査項目
安静時12誘導心電図検査
心電図検査は多くの病院や検診施設で施行される頻度が高い一般的な検査です。体に電極を装着し、心臓が活動する電気的変化を記録する検査で心筋梗塞や不整脈など心臓疾患の診断に役立ちます。検査は数分で終了します。
運動負荷心電図(マスター2階段負荷心電図)
運動して心臓に負荷を与えて心電図をとることで、健康診断では異常なしという方も潜在している狭心症などを評価することができます。検査は15分程度で終了します。
トレッドミル負荷心電図検査
トレッドミル検査は、運動することで心臓に負荷をかけ狭心症や不整脈を診断する検査です。検査はベルトコンベアの上を歩行して頂き、運動中の心電図と血圧の変化をモニタリングします。
ベルトコンベアは、時間とともに速さや坂の角度が変化します。個々の日標心拍数に到達した場合、症状や足の疲れが限界に近い場合に検査は終了します。
- 検査を受けられる方は、運動しやすい服装でお願いします
- また検査には30分程度時間を要しますので、お手洗いは\済ませておいて下さい
ホルター(長時間記録)心電図検査
ホルター心電図とは心電図を24時間記録して不整脈がないか調べる検査です。当院で使用しているホルター心電計は胸部に3箇所シールを貼り、小型記録器を取り付けます。従来に比べ機器の大きさが小さくなっているので生活しやすくなっています。
解析も院内で行なっており、当日診察の場合は機器を外して30分〜1時間後には結果を主治医へ報告しています。
肺機能検査
検査装置を通して、息を吸ったり吐いたりすることにより、肺疾患の診断や治療の評価などを調べることができます。
この検査では、特に患者さまの協力が必要となるため、わかりやすい説明を心掛けスタッフと一緒に頑張れたらと思います。マウスピースにはフィルタ付きのものを使用しており、単回使用で常に清潔な状態で検査を行います。
当検査室で実施している検査項目
- VC(肺活量)
- FVC(フローボリューム)
- FRC(残気量)
- DLco(肺拡散能力)
- 呼気NO検査
- 気道可逆試験
検査項目によってはお時間を頂く場合がございます
ABI/TBI検査:血圧脈波測定
動脈硬化を評価する検査の一つです。両手両足及び両足趾の血圧を同時に測定し、血管の硬さや詰まり具合を数値で表します。
検査の所要時間は5~10分程度です。検査中は動いたり、声を出すことは出来ません。血圧を測定しますので、厚手の服や四肢を締め付けるような下着は避けてください。
透析用のシャントのある方はシャント側の上腕血圧は測定できませんので、検査時にお伝えください。
脳波検査
脳波検査では頭皮上に複数個の電極を装着し、脳から発生する微細な電気を記録します。
一般的には、発作性意識障害(てんかん)の鑑別や頭部外傷などによる意識障害の検査で行われます。検査時間は1時間程度かかりますので、事前にお手洗いを済ませて下さい。
また小児の検査の際には、電極の代わりに帽子を装着して検査を行うことがあります。
振動障害検診
『振動障害巡回検診を行っています!』
熊本労災病院では振動工具を取り扱う林業労働者等を対象に、毎年「振動病検診」を行なっています。あまり聞き馴染みのない言葉だと思いますが、『振動病』とは、局所振動による障害、すなわちチェーンソーやグラインダー等の工具・機械・装置などを使用することによって起こる健康障害のことです。
症状としては、末梢循環障害・末梢神経障害・運動器(骨・関節系)障害の3障害があり、最も特徴的な症状として手指のレイノー現象があります。その症状をいち早く検知するために、熊本労災病院では年に一度、県内外・離島で振動障害巡回検診を実施しています。
皮膚温検査、痛覚検査、振動覚検査、爪圧迫検査、医師の診察を行うことで、労働者の健康を守ります!
聴力検査
聴力検査は、耳の聞こえの状態を検査します。主に音が聞き取りにくい、めまい、耳鳴りなどの症状がある場合に検査を行います。検査時にはヘッドフォンを装着して頂き、様々な高さの音を開いてもらいます。
難聴の診断や補聴器の調整をする場合にも、同様に様々な音や単語を聞いて頂くことがあります。
ABR検査
ABR検査は、脳波で聴力を見る検査です。頭部に電極を4カ所とヘッドフォンを装着して、一定の音を聞かせて検査を行います。
基本的には睡眠時に行う検査になりますので、睡眠薬を使用して眠って検査を行うことがあります。小児の方で検査を受けられる際は、検査前の睡眠は出来るだけ避けるようにお願いします。
睡眠してからの検査時間は1時間程度になります。食事制限や痛みを与えることはありません。
終夜睡眠ポリグラフ検査
心血管エコー室
心臓超音波(エコー)検査とは、超音波によって、心臓の形や心臓の動きの状態などを調べる検査です。
心房や心室の大きさ、壁の厚さや動き、弁の形や動き、血流の速度などを調べることによって、心筋梗塞や弁膜症など、様々な疾患を見つけることができます。
また、血管のエコー検査では血管につまりが無いか、血栓ができていないか等を調べることができます。
主な検査項目
心臓超音波(エコー)検査
超音波とは20 k Hz以上の高い音のことをいいます。人の耳では聞こえません。超音波検査では臓器が反射した超音波を解析し、画像として表します。
当院の検査室には最新の機器が6台整備されており、超音波検査士の資格をもつ技師が多数在籍しています。
胸部にゼリーをつけて検査を行います。食事制限はありません。心臓弁膜症や狭心症、心筋梗塞、先天性心疾患など、心臓の状態を画像でみて評価します。
血管超音波検査
血管の状態を画像でみて評価します。頸動脈・上肢血管・下肢血管・腎動脈など全身の様々な部位を超音波で検査します。
- 頸動脈
- 脳梗塞の原因や、糖尿病による動脈硬化などを調べる検査です。狭窄や危険なプラークがないか等を調べます。
- 上肢血管
- 手や腕に痛みや冷感、腫れがあるときなどに、動脈や静脈に血栓などの異常がないかを調べます。
- 下肢血管
- 足に痛みや冷感がある時に動脈に血栓や狭窄がないかを調べます。足に腫れがある時は静脈に血栓がないかを調べます。
- 腎動脈
- 高血圧の原因となるような狭窄がないかを調べます。
エコー室
エコー室では、腹部や表在のエコー検査を行っています。
4台の超音波検査装置があり、臨床検査技師が4名在籍しています。
患者さまの症状によって検査時間がそれぞれ異なりますので、お時間を頂く場合があります。
主な検査項目
腹部超音波検査
肝臓、胆嚢、膵臓、腎臓、脾臓などの臓器を観察し、疾患の有無を評価します。
基本的には絶食での検査となりますが、水やお茶は少量であれば摂取可能です。牛乳などの乳製品はお控えください。
検査時間は10分~30分程度です。
造影検査
超音波を当てながら超音波用の造影剤を注射し、腫瘤内の血流を観察します。当院では肝臓の腫瘤の評価を主に行っています。
この造影剤はペルフルブタンという気体の小さな泡で、投与後は肺から呼吸により体外に排出されます。そのため、CTやMRIで造影剤の使用が出来ない方でも検査可能です。
ただし、卵アレルギーの方の使用は禁忌となっています。
乳腺超音波検査
乳腺の状態や腫瘤が出来ていないかなど画像を見て評価します。両側の乳房と腋窩にゼリーを付けて軽く押しあてるように検査を行いますのでほとんど痛みはありません。
検査はすべて女性技師にて行います
腫瘤が見つかった場合には、腫瘤に採血の時と同じ太さの針を刺して細胞を採る検査をする事もあります。
表在超音波検査
甲状腺、耳下腺、顎下腺、リンパ節、皮下腫瘤、関節などの様々な部位を超音波で検査します。
検査時間は患者さまの疾患や状態などで異なりますが、約10分程度です。(関節は30~45分程度。)
検査部位の出やすい服装でお越しください