熊本労災病院

地域医療計画への貢献

各県の医療計画において、地域の中で保健福祉医療サービスが完結できるよう、主要な5疾病・5事業および在宅医療で、数値目標が設定されており、適切な医療サービスが切れ目なく提供されることになっております。

「5疾病」とは(がん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病、精神疾患)のことを言い、「5事業」とは(救急医療、災害医療、へき地医療、周産期医療、小児救急を含む小児医療)を言い、これに「在宅医療」が加わります。

当院でも、第7次熊本県保健医療計画に基づき、医療活動に力を入れています。

5疾病

地域がん診療連携拠点病院 (国指定)

わが国のがん対策については平成16年度から開始された「第3次対がん10か年総合戦略」に基づき、各種の施策が推進されていますが、その中で全国どこでも質の高いがん医療をうけることができるよう、がん医療の「均てん化」を図ることを戦略目的とし、その実現に向け、地域がん診療拠点病院の整備が掲げられました。

当院も熊本県南のがん拠点病院として、平成19年1月31日に「がん診療連携拠点病院」の認定を受けました。

脳卒中

脳卒中においては、県南地域唯一のt-PA療法受入病院として24時間体制で対応する等、脳卒中急性期拠点病院としての役割を担うとともに、八代地域における脳卒中地域連携パスについても地域医療機関との連携により、策定に向けた作業を初めているところです。

急性心筋梗塞

脳卒中と同様、八代医療圏において「急性期」を担う医療機関と位置づけられており、救急患者を積極的に受け入れ、開業医や中小病院との連携強化にも努めています。

5事業

1.救急医療

救急医療については、県南地域における中核病院として救急患者や救急車搬送を積極的に受け入れており、八代広域消防の約6割の救急車を受け入れる等、地域の救急医療の中心的役割を担っています。また、気管内挿管実習等救急救命士の実習受け入れについても積極的に実施しています。

2.小児医療

小児救急については、地域における唯一の二次医療機関として救急患者を受け入れています。

3.周産期医療

周産期医療については、八代医療圏に地域周産期母子医療センターが無いことから母性救急疾患、救急医療が必要とされる妊婦にも対応する等、地域産科中核病院としての役割を担っています。

4.災害拠点病院

災害時医療体制については、当医療圏における災害拠点病院として閏係行政機関及び地域医療機関と連携し、災害時の救護活動の中心的役割を担うこととしています。

熊本労災病院DMATについて

平成24年5月24日付けで熊本県より熊本県DMAT指定病院としての指定を受けました。

DMATとは、Disaster Medical Assistance Team (災害派遣医療チーム)の頭文字をとってDMAT(ディーマット)と呼ばれています。医師1名・看護師2名・業務調整員(医師・看護師以外の医療職及び事務職員)1名の4名を最少のユニットとして編成されており、大規模災害や多傷病者が発生した事故などの現場に急性期(おおむね48時間以内)に活動できる機動性を持った、専門的な訓練を受けた医療チームとして定義されています。

当院のDMATチームメンバーは5名編成であり、医師2名、看護師2名、業務調整員1名となっております。八代地域には、日奈久断層があり、地震の可能性もあります。また、高速道路では、人吉へと続くトンネルがいくつもあり、大事故も懸念されます。そのような災害や事故が発生した際に早急に現場に駆け付けることで、一人でも多くの人命を救うことを目標にしております。

5.地域医療支援病院

熊本労災病院は平成20年1月21日付で、「地域医療支援病院」として熊本県八代保健所所長より承認を受けました。

地域医療支援病院は、医療施設機能体系化の一環として、紹介患者に対する医療提供は基より、医療機器、病床等の共同利用等を通じて、かかりつけ医を支援する地域医療体制の中核を担う病院として制度化されたものです。

当院も地域の医療関係者向けの勉強会や、地域住民の方向けの講習会などを行い、地域医療の資質の向上に貢献すべく努力してまいります。

下記をクリックすると、勉強会・講習会の実績をご覧いただけます。