熊本労災病院

泌尿器科

 泌尿器科では、悪性腫瘍、排尿障害を中心に泌尿器科全般の診療を行っています。悪性腫瘍では腎癌、腎盂尿管癌、膀胱癌、前立腺癌などが中心で、早期診断、早期治療および手術、放射線科治療、化学療法を併用した集学的治療により癌制圧に取り組んでいます。

 また、進行癌の場合であってもがん化学療法においては最新の分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬なども積極的に治療に取り入れ、患者さまのQOLを維持しながら予後の改善に取り組んでいます。かかりつけ患者さまの年1回のPSA測定をこの場を借りてよろしくお願い申し上げます。排尿障害もまずは薬物療法を行い、無効例には主に内視鏡による手術を施行します。当院では安全な手術をモットーに、高齢者であってもカテーテルフリー、QOL向上を目指して積極的に手術を行っています。尿路結石に対しても最新のレーザー機器を用いた経尿道的砕石術を行い、ほとんどの症例において一回の治療で結石の消失がみられています。

 小児に対しても積極的に手術を行います。例えば、小児の停留精巣は年間10数例程度ですが、この10数年一定数を維持していることから八代圏では手術適応となる患児がこの程度存在するという証です。小児科の先生方にもこの場を借りて御紹介お願い申し上げます。

 「小児から高齢者まで疾患を問わず八代で治療を完治させる」を目標に診療を行っていきますので、いつでもお気軽にご相談ください。

スタッフ紹介

  • 宮本 豊

    泌尿器科部長

    資格・認定
    日本泌尿器科学会 泌尿器科専門医・泌尿器科指導医、難病指定医、緩和ケア研修修了、臨床研修指導医講習会修了
  • 冨永 成一郎

    第二泌尿器科部長
    泌尿器内視鏡ロボット外科部長

    資格・認定
    社団法人日本泌尿器科学会 泌尿器科専門医、社団法人日本泌尿器科学会 泌尿器科指導医、日本泌尿器科内視鏡・ロボティクス学会 認定証、certificate of da vinci system、緩和ケア研修会修了、難病指定医
  • 眞鍋 笙之介

    泌尿器科医師

    資格・認定
    da vinch certificate、緩和ケア研修会修了

診療実績(令和6年度)

入院患者数 新患者数 349人
延患者数 2,504人(6.9人/日)
外来患者数 新患者数 734人
延患者数 6,247人(25.7人/日)

治療実績(令和6年度)

経尿道的膀胱腫瘍切除術 57件
経尿道的前立腺切除術 18件
腎(尿管)悪性腫瘍手術 13件
前立腺悪性腫瘍手術 10件
前立腺悪性腫瘍手術 停留精巣固定術 2件
精巣捻転手術 1件
その他 0件
3件
尿道狭窄内視鏡手術 4件
前立腺生検 63件
経尿的尿管ステント留置術 18件
経尿道的尿路結石除去術(レーザー等) 10件
精巣の手術(徐睾術陰のう水腫) 11件

診療の一例

前立腺癌各stageの治療

前立腺癌各stageの治療
ポイント
当院では生検から手術療法・放射線療法・ホルモン治療・抗癌剤治療までさせて頂きます。また、去勢抵抗性前立腺癌に対するBRCA遺伝子検査も血液検査で施行可能となりました。

前立腺癌 令和4年度治療例

MRI T2協調画像 MRI 拡散協調画像 骨シンチグラム
症例
70歳代男性
検診PSA高値(6.35ng/ml)・MRIで前立腺癌が疑われ、近医泌尿器科よりご紹介。生検の結果、前立腺癌(adenoca., GS:3+4=7, 3/10本)の診断。ステージングにて明らかな転移なく、根治手術の適応。
➡手術のご希望あり、当院で令和5年1月前立腺全摘施行
画像所見
MRIで右葉辺縁にT2低信号、拡散強調画像で高信号を認め癌が疑われた。生検後、ステージング目的の骨シンチグラムにて明らかな骨転移なし
ポイント
手術・放射線治療いずれの根治治療も当院で可能。フォローアップはかかりつけとの連携も可能、再燃・再発時の治療も当科にお任せを!!