小児科
小児科診療は病気の子供たちに治療を行い快復への手助けをするだけではありません。子供の生活一般に対する相談に答え、疾病や事故の予防について啓蒙することは大切な役目です。また、一見健康にみえる子供たちの中に潜む成長障害児や発達障害児を見つけ適切に対応することも重要です。子供たちが乳幼児期から思春期・青年期までを心身両面において良い形で全うすることを願い、私たちは小児科診療に従事しています。
外来診療について
月曜日から金曜日の午前中は、一般疾患の診療(紹介状が必須です。)
午後は、火曜日:予防接種施行(予約制ですので、外来窓口にお問い合わせ下さい。)
水曜日 | 一ヶ月健診(午後) |
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木曜日 | 乳児発達のフォロー(午後) |
また、時間をかけての相談を希望される方は、午後に時間設定を致しますので、外来窓口にお問い合わせ下さい。
スタッフ紹介
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吉牟田 純一郎
小児科部長
- 資格・認定
- 日本小児科学会 小児科専門医、難病指定医、臨床研修指導医講習会修了
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渡邉 聖
小児科副部長
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松石 芽衣
小児科副部長
- 資格・認定
- 日本小児科学会 小児科専門医、緩和ケア研修会、臨床研修指導医講習会修了
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永沼 節子
小児科医師(非常勤)
- 資格・認定
- 日本小児科学会 小児科専門医、日本専門医機構 小児科専門医、難病指定医、緩和ケア研修会修了
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坂本 理恵子
小児科医師(非常勤)
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田中 奈緒
臨床心理士(非常勤)
診療実績(令和5年度)
入院患者数 | 新患者数 | 268人 |
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延患者数 | 1,008人(2.8人/日) | |
外来患者数 | 新患者数 | 1,472人 |
延患者数 | 5,126人(21.1人/日) |
治療の一例
初期症状において発熱と頸部リンパ節腫脹のみを呈した川崎病症例
川崎病の診断の手引きにおける主要症状の一つである「頸部リンパ節腫脹」は非化膿性リンパ節炎であり、他の主要症状(眼球結膜充血、不定形紅斑など)と比べ発現頻度はやや低い。しかし年長児では、発熱と頸部リンパ節腫脹で発症することが多いため、病初期には化膿性(細菌性)頸部リンパ節炎が疑われ、抗菌薬投与中に他の症状が遅れて出現し、最終的に川崎病と診断されることがしばしばある。
当科では令和5年1月からの5ヵ月間で 10例の川崎病患者を経験し、発症初期に発熱と頸部リンパ腫大を呈した年長児例が多かったため、まとめてみた。
まとめ
細菌感染による頸部リンパ節炎 (化膿性リンパ節炎) は、単発性で急速に増大し、膿瘍を形成することがある。これに対し川崎病では頸部リンパ節が多発性 (多房性) に腫大し、膿瘍形成はないとされる。
症状が発熱と頸部リンパ節腫脹のみの川崎病患者を早期に化膿性リンパ節炎と鑑別することができれば、不必要な抗菌療法や、診断の遅れから生じる冠動脈病変の発生を防ぐことにつながる。川崎病の可能性を考える上で、早期の頸部超音波検査は重要な情報を与えてくれる。