熊本労災病院

消化器内科

 当院の消化器内科は、千代永卓、小森田駿介、山岡哲秀、安倍悠乃、小山田侑生、犬童遼太、佐々木の7人体制です。千代永先生は消化器疾患全てできますが、特に胆膵疾患に造詣が深く、ERCPや超音波内視鏡など検査・治療が激増しています。結石や腫瘍性の閉塞性胆管炎や胆嚢炎におけるER(N)BDやEUS-FNAも行っています。胆膵悪性腫瘍に対する外科的治療が困難な場合は、既存の化学療法のほか、免疫チェックポイント阻害剤やがん遺伝子パネル検査による遺伝子変異に対するゲノム医療も行っています。

 緊急の上下部内視鏡検査の他、NBI・拡大内視鏡、上下部消化管ESD、小腸/カプセル内視鏡、CTコロノグラフィー、食道胃静脈瘤治療、胃瘻造設・交換などは通常業務として行っています。また熊大消化器内科より川上裕史先生に内視鏡治療のご指導を頂いています。

 肝臓専門外来を毎日行っており、外科、放射線科と共に「肝疾患センター」を運営しています。ほぼすべての肝疾患を扱っていますが、B/C型肝炎のコントロールがほぼ完全に可能となった現在、院内外での掘り起こし・啓発活動に力を入れています。特に当科では、検査部で検出したHBs抗原/HCV抗体陽性者はすべてチェックして、必要であれば他科の患者であっても消化器内科を受診するよう担当医または患者に通知するシステムを2018年より確立しています。丁寧で持続的なフォローアップを心がけて肝癌を早期発見し、手術・ラジオ波・TACEによる治療につなげています。さらに肝癌に対する既存の分子標的治療薬治療のほか、免疫チェックポイント阻害剤による最新の治療が可能です。

 治癒切除困難な悪性腫瘍も増えていますが、毎週火曜の外科・放射線科・病理との合同カンファレンスで手術相談症例と手術報告を行って情報共有し、看護部、薬剤部、栄養課も参加するキャンサーボードでは、多科による多角的な目で治療方針を決定しています。これまで学会・研究会にも多数参加しており、JDDWや地方会のほか、ボストン、シンガポール、バンコク、上海、バリ、台湾、香港の国際学会でも発表しました。

スタッフ紹介

  • 佐々木 雅人

    消化器内科部長
    肝疾患センター長

    資格・認定
    日本消化器病学会 消化器病専門医・指導医、日本肝臓学会 肝臓専門医・指導医、日本内科学会 認定内科医、日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医・指導医、難病指定医、緩和ケア研修会、臨床研修指導医講習会終了
  • 千代永 卓

    内視鏡科部長

    資格・認定
    日本内科学会 認定内科医、日本消化器病学会 消化器病専門医・指導医、日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医・指導医、日本肝臓学会 肝臓専門医、難病指定医、緩和ケア研修会修了、臨床研修指導医講習会終了
  • 小森田 駿介

    消化器内科副部長

    資格・認定
    緩和ケア研修会修了
  • 山岡 哲秀

    消化器内科医師

  • 安倍 悠乃

    消化器内科医師

    資格・認定
    緩和ケア研修会修了
  • 小山田 侑生

    消化器内科医師

    資格・認定
    緩和ケア研修会修了
  • 犬童 遼太

    消化器内科医師

診療実績(令和5年度)

入院患者数 新患者数 1,228人
延患者数 14,706(40.2人/日)
外来患者数 新患者数 1,717人
延患者数 13,830(56.9人/日)

治療実績(令和5年度)

手術(内視鏡)件数

食道ESD 3件
胃ESD 17件
EIS/EVL 4/13件
大腸EMR/ポリペクトミー 211件
大腸ESD 28件
胃ろう造設術 29件

検査/治療実積

上部内視鏡検査 2,717件
下部内視鏡検査 1,668件
ERCP 276件
EUS 263件
EUS-FNA 20件
カプセル内視鏡 6件
小腸内視鏡 8件

超音波検査/治療件数

腹部超音波 4,124件
腹部造影超音波 36件
肝生検 19件
PTCD/PTGBD 9件
経皮的RFA/PEIT 1件