熊本労災病院

　呼吸器感染症、肺癌、気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患、間質性肺炎など呼吸器疾患全般に関して、県南地域医療機関からの紹介・救急患者に対応しています。疾病の内訳は、高齢化社会を反映して肺炎・胸膜炎などの感染症が最も多くの割合を占めています。

　肺癌については、化学療法の進歩で延命効果も高く入院患者数が増加しています。最新の超音波気管支ファイバービデオスコープシステムを導入して従来のTBLBやEBUS-GS法による肺病変の生検に追加して、EBUS-TBNAによる縦隔・肺門リンパ節の質的診断も行っており、正診率の向上に努めています。

　気管支喘息・肺気腫などの閉塞性肺疾患は治療の中心となる吸入薬の進歩により外来での治療コントロールが良くなり入院割合としては減少し、殆どは救急や他院からの紹介入院です。自然気胸は、必要時は当院呼吸器外科での手術も行っています。

　間質性肺炎は特発性・膠原病関連・薬剤性等も含めて増加しています。その他の疾患は膠原病・不明熱・感染症等で、総合内科的な役割も担っています。特殊外来として、職業性肺疾患、特にじん肺、アスベスト関連疾患に関しては数少ない専門医療機関として、診断や手帳検診等で県外からも広く患者さまの紹介を受け入れアドバイスや労災疾病申請の援助を行っています。