独立行政法人 労働者健康安全機構 熊本労災病院

院長挨拶

 新年度になりました。皆様も環境の変わる日々をお過ごしと存じます。熊本労災病院も多くの新入職員を迎えて新鮮な空気に満ちています。今年は桜の開花が早かったのですが、お天気に恵まれ、退職者の見送りの桜が新任者のお迎えの桜にもなりました。

 私も昨年新任辞令をいただいてちょうど1年経ちました。病院として目立った変化は表向きありませんが、労災病院としての全国的な役割の推進と、熊本労災病院としての独自の取り組みを積極的に推進しようと職員一同努力を積み重ねております。

 全国的な取り組みの第一は、「治療と就労の両立支援」です。まだ、余りなじみのない言葉だと思いますが、まずこの「両立支援」ということばの認知度を高めたいと思っております。実際は、病院にかかる患者様が概ね抱えている、仕事と治療をどうバランスをとっていくか、の実践です。もちろん命や健康が第一ですが、一家の大黒柱ならずともそれまでの収入の道が断たれること、あるいは生き甲斐と感じてきた仕事が奪われることは、治療の遂行自体にも大きく影響をすることで、昔から医師としても看過できない問題でした。

 労災病院の掲げる両立支援は、求めに応じて患者様の勤め先の企業とも交渉や相談を深めて、治療を進めながらも就労の可能性を探る、あるいは長期療養からの社会復帰の道筋を明らかにする、などを目指すもので、主治医師と連携しながら専門のソーシャルワーカーや看護師などが専従で取り組むものです。少し前まで労災病院の専売特許であったこの機能は、多くの他の医療機関も取り組むようになってきています。労災病院は先達として、そのノウハウを後発の病院などに、研修などを通して伝えるような役割も担うようになっています。是非、患者の皆様は問題を抱え込まずに当院の医師や看護師に気軽に相談してみてください。

 さて、当院は外来や中央病棟は新しいのですが、古い東西病棟がまだ残り、皆様から、例えば外来からの動線が長い、病棟のお風呂が汚れている、などの苦情も時々いただいております。古くても清潔にするのは病院として当然で、以前よりこまめに清掃をするようにはなっています。正面玄関部分にある受付や会計などから外来まで距離があり、その移動廊下を「ホスピタルギャラリー」として用いて、白百合学園写真部の生徒の皆さんによる作品の展示を時々入れ替えて行っております。それで「距離」が縮まるわけではありませんが、お楽しみいただきながら、ゆっくりご移動いただければと存じます。また、ボランティアの皆さん方のご協力もいただいて、御案内や車いすの移動援助もいたしておりますので、必要なときには是非お声がけいただければと存じます。

 患者サービスの一環として、正面玄関の奥に患者様用の図書室を設置しました。図書、コピー、今後整備するインターネットの使用などでご利用いただければと存じます。また、同時に各病棟の談話室では無料Wi-fiのサービスも始めました。スマホやパソコンでのご利用に便利と存じます。もう一つ、苦情が多いのが駐車料金です。駐車場の維持管理にも費用がかかるため、応分のご負担を患者様にいただいているのが実態ですが、なるべくご負担が少ないにこしたことはなく、この4月から、無料時間を従来の30分から1時間に延長しました。その他、治療に関する説明に来院される方などへの減免措置も講じております。なかなか無料とまではいかないのですが、ご理解いただきますようお願いいたします。

 このようなサービス以上に重要なのは、当然ですが、診療の内容そのものです。新たに、20名以上の新任医師が入り、少し見慣れない先生がたくさんいるのを感じられると思います。患者様をご紹介いただく先生方にも少し戸惑いを与えているかも知れません。医師の交代一覧も早急に開業の先生方などに送付の予定です。交代の混乱を最小限にするように職員皆さんにお願いしています。

 さらに、脳神経外科や乳腺外科など、機能アップとなった科もありますので、これまで以上に、新年度の労災病院に期待していただければと思います。地域医療連携室は、「部」に格上げし、循環器内科部長の松村先生が部長となって、人員も増やして充実させます。救急医療に加えて災害医療も充実させようと、「救急・災害診療部」を作り、飯坂一般外科部長に部長を兼務いただきます。ちょっと暗い正面玄関前の花壇も、春を迎えてお花で明るくすることも検討中です。硬軟取りまぜてみんなでがんばりますので、これからも、お気づきの点、なんでもお伝えください。よろしくお願いいたします。

猪股裕紀洋
熊本労災病院 院長 猪股裕紀洋
熊本労災病院 院長

猪股 裕紀洋

略歴

1977
京都大学医学部卒業
1983
国立小児病院レジデント
1987
京都大学大学院卒業 医学博士(京都大学)
1991
アイオワ大学外科留学
1996
京都大学大学院助教授
2000
熊本大学医学部附属病院小児外科教授
2005
熊本大学大学院教授(小児外科学・移植外科学)
2009-2013
熊本大学医学部附属病院 病院長
2017
熊本労災病院 院長