独立行政法人 労働者健康安全機構 熊本労災病院

院長挨拶

 長く暑い夏がようやく終わりを告げ、朝晩はずいぶん過ごしやすい気温になってきました。季節の変わり目、体調維持に気をつけたいものです。本日も熊本労災病院のホームページを訪れていただき感謝申し上げます。
 さて、中国地方の大雨、先日来の台風、そして、北海道の地震と、矢継ぎ早の天災の襲来に日本が呪われているようにも感じます。熊本での地震の記憶はまだ生々しいものがありますが、日替わりのように報道される災害の被害を見聞きし、犠牲になられた方々のご冥福を祈るとともに、被害のただ中におられるみなさんの言葉にできないような不安、絶望感を想わずにはいられません。
 熊本も2年半経ち、今ようやく、あちこちで建物解体が進んで更地が目立つようになりました。各地で、これから、長い復興の道筋が始まります。聞けば、各被災地への熊本からの支援の速さと多さは際だつそうですが、なお復興途上にある熊本からも持続的な支援の思いを持ち続けることが必要と痛感します。
 このように災害の続く日本ですが、昔の台風や東北の震災の記憶も生々しく、秋は防災の意識を新たにする季節です。当院でも、救急・災害診療部が中心となり、八代市との合同の訓練、熊本大学救急部の笠岡俊志教授の講演会など、学び備える体制を強化していきます。
 当院は災害拠点病院でもありますが、今回の台風や地震でも、各地でその機能が、特に発電の面で十分発揮できないことが目立ちました。停電になって自家発電に切り替えるのは当然ですが、3日間程度持続可能な備蓄燃料が必要です。補充が無ければそれ以上は持ちません。また、そもそも発電機が浸水などで使えなければお手上げです。最近は自家発電機設備を地上や地下でなく、上層階に設備する新築医療機関も増えてきたと聞きます。当院も海抜ゼロメートルの地上設備ですので、浸水予防対策も含めて、この時期、食料や水、インフラなど、再度確認して備える機会としたいと想います。

 9月になり、これまで、外科の枠組みの中で専門医療を行っていました、乳腺外科、呼吸器外科、小児外科をそれぞれ独立した院外標榜診療科といたしました。外来診療や入院の手続きなどは今まで通り特に変化はありませんが、各専門の研修会の開催、人員の拡充などを行って、それぞれの診療機能をさらに高めたいと想います。乳腺外科は、9月13日に院内で熊本大学の岩瀬弘敬教授と当院林医師による講演会を開催します。

 また、今回、「在宅医療後方支援病院」の認定申請を行い、各在宅医療機関で診ておられる患者さんの緊急事態に、より円滑に対応できるように各医療機関との連携を強化いたします。すでに当院が実際上今までも機能してきた役割でありますが、予め各医療機関と個々の患者さんごとの診療情報を「平時」から共有しておいて、より円滑な搬送や入院などができるようにしておく仕組みです。これも、患者さんにとっては特別に変化があることではありません。

 なお、場所も広さも変わらずに目立ちませんが、8月20日から院内の売店がコンビニエンス(ファミリーマート)に変わりました。開店時間も朝7時30分から午後8時までと前より長くなり、これまでの病院内売店としての種々の消耗品や医薬健康物品に加えて、ATMや宅配引き受けの機能、そして何より全国レベルの飲食物の品揃えを楽しめて、周囲にあまり飲食店のない当院として大きなアメニティーの進歩となりました。これまでの食堂が休日はお休みなりますが、イートインスペースとして使っていただくようにいたします。

 入り口正面の植栽に、熊本南ローターリークラブのご尽力により、マリーゴールドの花壇ができています。受診時に、黄色やオレンジの明るいお花で目を休めていただければと想います。これまでの暖かい診療の雰囲気と誠実な対応を堅持しつつ、より高度化した医療技術知識に対応する医療者の集団として、熊本労災病院はこれからも頼られる地域の病院としてお役に立てるようにがんばります。

猪股裕紀洋
熊本労災病院 院長 猪股裕紀洋
熊本労災病院 院長

猪股 裕紀洋

略歴

1977
京都大学医学部卒業
1983
国立小児病院レジデント
1987
京都大学大学院卒業 医学博士(京都大学)
1991
アイオワ大学外科留学
1996
京都大学大学院助教授
2000
熊本大学医学部附属病院小児外科教授
2005
熊本大学大学院教授(小児外科学・移植外科学)
2009-2013
熊本大学医学部附属病院 病院長
2017
熊本労災病院 院長