独立行政法人 労働者健康安全機構 熊本労災病院

放射線科

 放射線科における診療内容の中心は、各種断層写真の評価および管理を行う画像診断と呼ばれる分野です。現在の医療においては、的確な診断を行うために画像診断は必要不可欠な手段であり、当院では放射線科医4名で業務にあたっています。また日本放射線科学会が定める放射線科専門医修練機関に認定されており、当院の画像診断専門医はいずれも研修指導者の資格を有し、後進の放射線科医や臨床研修医の指導にも力を注いでいます。

 現在全てのCT・MRI・核医学検査における画像診断報告書を翌診療日までに作成し、画像診断管理加算2を取得しています。平成25年4月には、放射線治療装置を更新し、最新の放射線治療を提供しています。平成28年4月には既存の3.0T MRI装置に加え、1.5T MRI装置を導入し、検査予約の大幅短縮および検査のニーズに合わせたMR画像を提供できる体制となりました。

 平成29年1月から、熊本県初の2管球CTが稼動しています。熊本県南地区をはじめ医療圏のニーズに応えられるような国内でも最高峰レベルのCT装置ですので、臨床のみならず研究部門でもその力を発揮すると期待しています。

お知らせ

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特色

 放射線科の診療内容には大きく2つの柱があります。画像診断および放射線科的治療です。
画像診断の範疇は、単純X線撮影、超音波検査、CT・MRI・RI装置などの断層撮影を始め、血管造影など多岐に渡ります。つまり、あらゆる診療科における多様な病気が、画像診断の対象になります。
放射線科的治療(放射線科の特徴を生かした治療の分野)では、高エネルギーX線を用いた放射線治療や、最新型X線CTや血管造影の技術を応用した診断/治療(インターベンショナルラジオロジー;IVR)を行っています。
放射線治療については、10MV-X線(通常のX線撮影のおよそ100倍のエネルギーを持つ高エネルギーX線)の最新治療装置を用いて、悪性腫瘍などの治療を施行しています。
IVRについては、血管内にカテーテルと呼ばれる細い管を挿入し、管を通じて薬や塞栓物質を入れることにより、肝細胞癌に対する化学塞栓療法や、外傷もしくは腫瘍破裂で生じる腹腔内出血に対する止血処置を行っています。その他、X線CTを利用したCT下肺生検やCT下ドレナージ、さらに大動脈瘤におけるステントグラフト治療も可能です。
このように放射線科は、現代の医療における診断・治療の面で重要な位置を占めている診療科のひとつです。

設備紹介

MRI 2台体制
MRI
【左】MRA(造影剤を使用しない頭部血管撮影)
【右】全身DWI(PET like imaging:不明熱検索など)
熊本労災病院では、平成28年4月より2台目の MRI(1.5テスラ; Ingenia, Philips社製)が稼動開始しました。
稼動後は既存の3テスラMRI装置との2台体制となり、検査予約待ちの期間が大幅に短縮されました。
また両装置の特徴を生かした検査を計画することで、より良い画像の提供が可能です。
2管球型CTスキャナー
2管球型CTスキャナー
2管球型CTスキャナーを導入しています。
  • 2つのX線管球で同時にデータ収集するため、従来よりも非常に短時間で、負担の少ない検査が可能です。
  • 最新機能により、従来の装置と比較して少ない被ばくでの検査が可能となります。
  • 心臓検査などの特殊検査にも対応しています。

スタッフ紹介

荒木 裕至

役職
放射線科部長
所属学会
日本医学放射線学会、画像診断専門医、日本医学放射線学会研修指導者、臨床研修指導医

福岡 博文

役職
第二放射線科部長
所属学会
日本医学放射線学会、画像診断専門医、日本IVR学会

中村 信一

役職
第三放射線科部長
所属学会
日本医学放射線学会、画像診断専門医、、日本医学放射線学会研修指導者、日本IVR学会

近藤 匠

役職
放射線科医師
所属学会
日本医学放射線学会

治療実績

ステントグラフト実施施設の認定について

ステントグラフト
ステントグラフト治療

 当院放射線科では、年間100件以上の血管内治療を行っております。肝癌をはじめ、骨盤部や頭頸部腫瘍などの動注化学療法が多く、産科・消化器などの領域の出血に対する緊急塞栓術もしばしば行われます。血管内治療ではありませんが、CT透視ガイド下生検やドレナージ術などの非血管系の画像誘導下治療も行っています。

 また他科との連携のもと、2010年1月より腹部大動脈瘤(2010年8月より胸部大動脈瘤)に対するステントグラフト治療を開始しており、県南地区では数少ない心臓血管外科手術を実施する中核施設として、「ステントグラフト実施施設」の認定を受けています。本治療は両鼠径部を数cm切開するのみで治療を行うことが可能で、手術時間は2-3時間と回復も早く、早期退院が可能となっています。瘤の部位・形態から手術をお勧めする場合もありますが、低侵襲なステントグラフト治療は、高齢・心疾患や脳梗塞などのリスクのため従来手術困難と考えられた患者様にも積極的に治療を行うことが可能となっています。10月現在で13例施行しており、初期成功率100%と良好な成績が得られています。概要や適応につきましては、お気軽にお尋ねください。「関連10学会構成 ステントグラフト実施基準管理委員会」ホームページにも詳細が掲載されています。