放射線科
現在の医療においては、的確な診断を行うために画像診断は必要不可欠な手段であり、熊本労災病院では放射線科常勤医4名で業務にあたっています。また日本放射線科学会が定める放射線科専門医修練機関および画像診断管理認証施設に認定されており、後進の放射線科医や臨床研修医の指導に力を注いでいます。
平成28年4月以来、既存の3.0T MRI装置に加え、1.5T MRI装置を導入し、予約待ち日の大幅短縮および検査のニーズに合わせたMR画像の提供ができる体制となりました。
平成29年1月より熊本県初導入の2管球CTが稼動しています。熊本県南地区をはじめ医療圏のニーズに応えられるような画像提供を、更には研究部門でもその力を発揮すると期待しています。さらに令和3年10月に2台体制の64列CTを更新致しました。更新したCTはスイッチング方式のデュアルエナジーCTですので、上記2管球CTと合わせて従来と比べ、レベルアップした診断体制となりました。
令和4年度 紹介CT件数と内訳
令和4年度 紹介MRI件数と内訳
スタッフ紹介
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荒木 裕至
放射線科部長
- 資格・認定
- 日本医学放射線学会 放射線診断専門医・研修指導医、臨床研修指導医、臨床研修指導医講習会修了
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横田 康宏
放射線科副部長
- 資格・認定
- 日本医学放射線学会 放射線診断専門医、緩和ケア研修修了、臨床研修指導医
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井上 泰平
放射線科副部長
- 資格・認定
- 日本医学放射線学会 放射線診断専門医、緩和ケア研修修了
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森口 直哉
放射線科医師
- 資格・認定
- 緩和ケア研修修了
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村上 龍次
放射線科治療専門医(非常勤)
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田村 吉高
IVR専門医(非常勤)
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山田 茂雄
放射線科治療医(非常勤)
診療の一例
当院CT(2管球CT)を使用した、物質弁別検査(バリウム誤飲症例)
- 検査目的
- 定期受診の際に湿性咳嗽の訴えあり。健診時に右肺に硬化像の指摘。受診時に施行した単純X線写真でも粒状の硬化像を数個と、不明瞭な陰影あり。CT精査依頼。
- 画像所見
- 右肺下葉には金属濃度の高吸収があります。CT値は1400程度で、2管球撮影における解析でも、低エネルギー側で椎体骨と比較してCT値差が大きくなっています。歯牙などの異物ではなく、誤嚥したバリウムなどが鑑別と思われます。
- ポイント
- 2つのX線管球の電圧差を活かしたCT撮影による物質弁別が可能であった1例
当院MRIを使用した、脂肪抑制T2強調画像の有用性(新鮮圧迫骨折症例)
- 検査目的
- 新鮮圧迫骨折の有無確認目的。
- 画像所見
- 脂肪抑制T2強調画像では、Th11椎体に上部終板に沿った骨折線と浮腫を疑う高信号を認め、新鮮圧迫骨折を疑います。 胸髄に明らかな異常信号は指摘できません。
- ポイント
- 新鮮圧迫骨折に伴う骨髄浮腫の存在が、診断の決め手となる