熊本労災病院

循環器内科

ご挨拶

 循環器内科および血管内科では、虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)や心臓弁膜症、心筋症、心不全、不整脈疾患など心臓に起因する病気、下肢閉塞性動脈硬化症や深部静脈血栓症などを主とした全身の血管疾患、さらには動脈硬化症と深い関わりを持つ高血圧症や脂質異常症などの診断・治療を行っています。現在総勢9名の医師が1年365日24時間体制で診療を行っております。月曜から金曜日までの外来は循環器内科および血管内科を統合し、かつ完全2診体制で、心臓から全身の血管病まで幅広くかつ柔軟に対応しております。

私たちは以下を基本理念として日々取り組んでいます。

  1. 患者さま及びご家族に分かりやすく丁寧な説明を行い、信頼して頂きながら検査や治療を進めていくこと

    • 現在の検査や治療は非常に高度かつ複雑化しており、簡単にご理解頂くのがなかなか難しい場合があります。内容が分かりづらい場合にはいつでも改めて説明致しますので、遠慮なくご相談ください。
    • 患者さまおよびご家族との信頼関係を築くことが何よりも大事であるとの思いを胸に日々の診療を行ってまいります。
  2. 検査や治療を受けて頂く患者さまに可能な限り不安や苦痛を与えないこと

    • 循環器内科ではカテーテルを用いた検査・治療を行っております。事前のしっかりとした説明をすることはもちろんのこと、患者さま側からのご希望もお聞きして可能な範囲で対応することにより不安を軽減するよう努めます。
    • 心臓カテーテル検査および治療は、ほとんどの患者さまにおいて足の付根や肘からではなく、手首から血管内へカテーテルを入れて行うことで、治療時および治療後の苦痛の低減を図っています。
  3. 熊本県南の中核病院としての自覚をもって、患者さまの速やかな受け入れや適切な対応を行うこと

    • 心臓疾患は1分1秒を争うような緊急を要する場合が非常に多くあります。私たちはかかりつけ医の先生方とも日頃からしっかりと連携を取り合い、必要があればすぐにご連絡を頂いて速やかな受け入れを行います。
    • 熊本県南全域からの患者さまをいつでも受け入れるべく、1年365日24時間体制で診療にあたるよう努めてまいります。
  4. 常に最新の知見を得ることに努め、積極的に新たな診断法や治療法を取り入れていくこと

    • これまで当科では、「高速回転式ローテーショナルアテレクトミー」、「植込み型除細動器」、「心臓再同期療法(両心室ペーシング療法)」、「下肢閉塞性動脈硬化症に対するカテーテル治療」などを熊本県南でいち早く導入してきました。現代の医療は日々進歩しており、これからも積極的に新たな診断法や治療法を導入していきます。
    • また薬物治療においても、最新の知見を得ながらうまく取り入れていき、個々の患者さまの状態に応じた適切な治療ができるよう努めていきます。
    • 令和1年より不整脈に対するカテーテル治療を本格始動致しました。これも熊本県南地域では唯一の専門施設であり、年間150名を超える患者さまに治療を行うことができました。現在では熊本県南全域から患者さまが治療を受けに来られています。
    • 本年度より心臓リハビリテーションのさらなる充実を図るため、外来および病棟に心不全療養指導士の資格を有する専任看護師1名を配置することが実現いたしました。これまで以上に外来および入院患者の心臓リハビリを積極的に行い、虚血性心疾患や心不全、下肢閉塞性動脈硬化症などを有する患者さまのADLならびにQOLの向上に寄与できるよう努めていきます。

私たち循環器内科スタッフは、これからも常に患者さまおよびそのご家族に寄り添う気持ちを忘れることなく日々の診療に努めて参ります。

スタッフ紹介

  • 松村 敏幸

    副院長

    松村敏幸
    副院長 松村敏幸
    資格・認定
    日本循環器学会 循環専門医、社会医学系専門医協会 指導医・専門医、日本内科学会 認定内科医、日本心血管インターベンション治療学会 認定医・専門医・指導医、日本心不全学会 「植え込み型除細動器/ペーシングによる心不全治療」研修修了、日本不整脈デバイス工業会 「条件付きMRI対応デバイス(CIEDs)植え込み患者に対するMRI検査のための所定の研修」修了、JCEP サーベイヤー、難病指定医、緩和ケア研修修了、臨床研修指導医講習会修了
  • 土井 英樹

    循環器内科部長
    血管内科部長

    土井英樹
    循環器内科部長・血管内科部長 土井英樹
    資格・認定
    日本循環器学会 循環器専門医、日本内科学会 認定内科医、日本心血管インターベンション治療学会 認定医、浅大腿動脈ステントグラフト実施医、難病指定医、緩和ケア研修修了
  • 阿部 浩二

    第二循環器内科部長
    心臓リハビリテーション部長

    阿部浩二
    第二循環器内科部長・心臓リハビリテーション部長 阿部浩二
    資格・認定
    日本循環器学会 専門医・指導医、日本内科学会 認定医・総合内科専門医・指導医、日本心血管インターベンション治療学会 認定医・専門医、日本心不全学会 「植え込み型除細動器/ペーシングによる心不全治療」研修修了、難病指定医、日本心臓リハビリテーション学会 指導士、緩和ケア研修修了、臨床研修指導医講習会修了
  • 川上 和伸

    第三循環器内科部長

    川上和伸
    第三循環器内科部長 川上和伸
    資格・認定
    日本循環器学会 専門医、日本内科学会 認定医・総合内科専門医、日本心臓リハビリテーション学会 指導士、日本不整脈心電学会 専門医、日本心血管インターベンション治療学会 認定医、日本睡眠総合検診協会 CPAP療法士、日本不整脈心電学会「植え込み型除細動器/ペーシングによる心不全治療」研修修了、緩和ケア研修修了、産業医
  • 古川 祥太郎

    循環器内科副部長

    古川祥太郎
    循環器内科副部長 古川祥太郎
    資格・認定
    日本循環器学会 循環器専門医、日本内科学会 認定内科医・総合内科専門医・指導医、日本インターベンション治療学会 認定医、日本心臓リハビリテーション学会 指導士、日本プライマリーケア学会 指導医、日本フットケア・足病医学会「下肢創傷処理・管理のための講習会」修了、緩和ケア研修修了、臨床研修指導医講習会修了
  • 小森田 貴史

    循環器内科副部長

    小森田貴史
    循環器内科副部長 小森田貴史
    資格・認定
    日本循環器学会 循環器専門医、日本内科学会 認定医、日本心血管インターベンション学会 認定医、浅大腿動脈ステントグラフト実施医、JMCC(日本内科学会認定内科救急・ICLS講習会)、日本フットケア・足病医学会「下肢創傷処理・管理のための講習会」修了、ICLS・BLSコースインストラクター、JMECCインストラクター
  • 満瀬 達郎

    循環器内科副部長

    満瀬達郎
    循環器内科副部長 満瀬達郎
  • 小林 貴大

    循環器内科医師

    小林貴大
    循環器内科医師 小林貴大
    資格・認定
    日本循環器学会、日本内科学会 内科専門医、日本心血管インターベンション学会、産業医、緩和ケア研修修了

診療実績(令和4年度)

入院患者数 新患者数 1,069人
延患者数 12,508人(34.3人/日)
外来患者数 新患者数 1,503人
延患者数 10,345人(42.6人/日)

治療実績(令和4年度)

冠動脈インターベンション 235件
末梢血管インターベンション 117件
カテーテル焼灼術 154件
永久ペースメーカー移植術(新規・交換) 85件
リードレスペースメーカー留置術 15件
植込み型除細動器移植術(新規・交換) 5件
両室ペーシング=心臓再同期療法
(CRT+CRTD、新規・交換)
13件
心エコー 7,904件
血管エコー 3,103件
経食道心エコー 115件

治療の一例

不整脈の積極的な治療

カテーテルアブレーション

2022年度 154例

当院は熊本県南地区、鹿児島県北で唯一のカテーテルアブレーションが実施できる不整脈心電学会認定不整脈研修施設です。3Dマッピングシステムで正確な不整脈の原因を同定し、治療を行います。2019年度は112例、2020年以降は年間約150例の頻脈性不整脈患者の治療を行っています。

不整脈の積極的な治療①

植込型心臓デバイス

2022年度 新規:73例 電池交換:52例

当院は熊本県南地区で唯一の植込み型除細動器(ICD)、心臓再同期療法(CRT)、リードレスペースメーカー植込みが実施できる施設です。2019年よりリードレスペースメーカー植え込み、遠隔モニタリングによる遠隔監視ができるようになりました。

不整脈の積極的な治療②

心臓リハビリテーション(外来心リハ導入しました)

心臓リハビリテーション患者推移グラフ 心臓リハビリテーション風景

下肢動脈疾患 (LEAD) に対するカテーテル治療 (EVT) の取り組み

EVT件数 腸骨動脈領域のカテーテル治療例

LDLアフェレーシス(レオカーナ):no-option CLTIに対する新たな治療法

LDLアフェレーシス(レオカーナ)①