中央リハビリテーション部
中央リハビリテーション部では、整形外科疾患や脳血管疾患をはじめ、呼吸器疾患・循環器疾患・がんなど様々な疾患に対して入院や手術直後から『早期リハビリテーション』に取り組んでいます。心不全などの心疾患の患者さまに対しては、安全で少しでも快適な日常生活が送れるように、入院時早期から介入して、必要時は外来でも継続的に適切な運動負荷を加味して介入しています。
スタッフ数は、理学療法士17名、作業療法士7名、言語聴覚士4名、リハ助手3名の総勢31名です。各スタッフが専門的資格取得や認定研修を受講して、専門的知識を活かして、安全で適切な治療の提供に努めています。また、病棟担当制を取り入れ、ICU(集中治療室)や病棟を中心に早期離床を重視して積極的に介入しています。
カンファレンスを定期的に開催し、多職種での情報共有を図っています。それ以外にも、医師や認定看護師を含み多職種で実施している呼吸器・NST・排尿ケア・褥瘡対策・認知症ケアのラウンドに参加して、チーム医療に積極的に携わっています。また、労働者健康安全機構が掲げている政策医療の一環である治療と就労の両立支援活動として、就労状況に合わせた復職(就労)支援にも取り組んでいます。
院外活動としては、県の委託業務である地域リハビリテーション活動として、『八代地域リハビリテーション広域支援センター』を受託して、圏域のリハビリテーション従事者や地域の方々への研修会開催や現地での相談対応など、地域に根ざした事業にも積極的かつ継続的に取り組んでいます。熊本地震を発端に、DMAT(災害派遣医療チーム)やJ-RAT(大規模災害リハビリテーション支援関連団体協議会)などの災害に対する支援活動にも取り組んでいます。
- 施設基準
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- 脳血管疾患等リハビリテーション(Ⅰ)
- 運動器リハビリテーション(Ⅰ)
- 廃用症候群・リハビリテーション(Ⅰ)
- 心大血管疾患リハビリテーション(Ⅰ)
- 呼吸器リハビリテーション(Ⅰ)
- がん患者のリハビリテーション
スタッフ紹介
中央リハビリテーション部は、「理学療法士17名」「作業療法士7名」「言語聴覚士4名」「助手3名」の31名で構成されています。
有資格者紹介
脳卒中認定理学療法士 | 4人 |
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運動器認定理学療法士 | 4人 |
循環器認定理学療法士 | 2人 |
呼吸認定理学療法士 | 1人 |
3学会合同呼吸療法認定士 | 12人 |
呼吸ケア指導士 | 1人 |
心臓リハビリテーション指導士 | 6人 |
がんリハビリテーション研修会修了 | 23人 |
熊本県糖尿病療養指導士 | 1人 |
臨床実習指導者講習修了 | 10人 |
福祉用具プランナー | 2人 |
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福祉用具専門相談員 | 1人 |
福祉住環境コーディネーター2級 | 5人 |
日本糖尿病療養指導士 | 2人 |
離床プレアドバイザー | 3人 |
離床アドバイザー | 2人 |
JRAT-RRT 研修修了 | 1人 |
両立支援コーディネーター | 2人 |
腎臓リハビリテーション指導士 | 1人 |
所属委員
- 日本DMAT隊員(業務調整員)
- 八代市介護認定審査委員
- 八代市障害区分認定審査会委員
- 八代市介護保険事業計画等策定・評価審議会委員
- 八代地域住宅医療介護連携体制検討会委員
- 九州作業療法学会 演題査読委員
各部門紹介
理学療法部門
理学療法は、病気、けが、高齢、障害などによって運動機能が低下した状態にある人々に対し、運動機能の維持・改善を目的に運動、温熱、電気などの物理的手段を用いて行われる治療法です。理学療法の目的は、運動機能の回復にありますが、日常生活動作(ADL)の改善を図り、最終的にはQOL(生活の質)の向上を目指します。
理学療法部門では、様々な疾患に対して入院や手術直後から機能回復や廃用症候群予防のため離床を行う早期リハビリテーション、心不全など心臓の機能が低下した患者さまへの回復を図る心臓リハビリテーション、仕事をされている患者さまへ対しての職業復帰を目指したリハビリテーションなどに取り組んでいます。
作業療法部門
作業療法は、人々の健康と幸福を促進するために、作業に焦点を当てた治療、指導、援助である。作業とは、対象となる人々にとって目的や価値を持つ生活行為を指す、と定義されています。
当院では、病気やケガの直後(急性期)から疾患を問わず作業療法を開始し、患者さまの今後の生活を見越し、症状に合わせて、こころとからだの基本的な機能の改善を援助するとともに、新たな機能低下の予防を目指し、治療を行っています。
日常生活のみならず、就労支援(自動車運転支援)など、手段的日常生活活動(IADL)・日常生活活動(ADL)への早期介入を行っています。
言語療法部門
言語聴覚療法は、脳卒中や事故による頭部外傷、神経疾患などによって起こる失語症・構音障害・高次脳機能障害などに対して評価・訓練を行います。また、当院で言語聴覚士が関わることが最も多い誤嚥性肺炎の原因でもある摂食嚥下障害に対するリハビリテーションも行っています。
摂食嚥下障害のある患者さまには、必要に応じて嚥下内視鏡検査(VE)、嚥下造影検査(VF)を実施し、より安全に食事を摂取することが出来る様に姿勢や食事形態、食事介助方法等についてチームで話し合いながらリハビリテーションを行っています。
疾病を呈された患者さま本人やご家族、転帰先となる施設に対しても必要となる助言・指導その他の援助を行い、患者さまがより豊かな生活が送れるようにリハビリテーションを提供していきます。
治療実績(令和4年度)
2022年度 治療実績
各種検査実績
検査項目 | 件数 |
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嚥下造影検査 | 119 |
脳ドック(N-CAB実施) | 78 |
学会発表・論文
学会発表
発表者 | 木村友亮 |
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演題 | 変形性膝関節症に対する術後成績の追跡調査~痛みに対する破局的思考が術後成績に及ぼす影響~ |
学会 | 第20回 熊本県理学療法士学会 |
発表者 | 木村友亮 |
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演題 | 脳卒中患者に対する急性期からの早期歩行訓練が予後に与える影響 |
学会 | 第16回 日本神経理学療法学会学術大会 |
発表者 | 木村友亮 |
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演題 | 急性期脳卒中患者に対する歩行練習開始時期と練習時間が移動動作自立度の長期予後に与える影響 |
学会 | 第18回 日本神経理学療法学会学術大会 |
論文
著者 | 木村友亮 |
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共同著者 | 馬場浩充、大洲人士 |
題名 | 急性期脳卒中患者に対する長下肢装具を用いた歩行練習が身体機能と移動動作の長期予後に与える影響 |
雑誌 | 理学療法ジャーナル54巻8号(2020年8月) |